楽器とは…

あなたにとって楽器とはどんな存在でしょうか? 友人?恋人?家族?それとも良き思い出や憧れ等、何かの象徴でしょうか?

私が楽器を吹き始めた頃、それは私にとってただのモノでした。使えば音が出るという以外の何者でもないモノ。 しかし、毎日練習を繰り返すうちに、私はそのモノと友達になりました。 友達には、良いところも、悪いところもたくさんあります。 私達はもっとよく知り合うために、たくさん練習をしました。たくさん、たくさん、練習して、良いところも悪いところも十分理解し合った私達は、そのうち良きパートナーとして、今度は音楽と向き合うようになりました。

Takao Nakagawa

難しいフレーズやハーモニー、難解な解釈などの壁にぶつかり、それを乗り越えていくうちに、パートナーは私に無くてはならない存在になりました。それは恋人のような、家族のような、あるいは私自身の一部であるかのような存在です。 それなくしては、私は自分の音楽を表現することが出来ません。私にとって、楽器とは既に人生の一部なのです。

2014年に金管楽器工房ズューレを受け継いで以来、私達はあなたが「かけがえの無い存在」と出会えるように、日々精進しています。 いつの日か、私達の楽器が、あなたにとって「かけがえの無い存在」になれますように。

中川 崇雄

Hermann Jenß